グローセ・シャイデックを出発して３時間余、広々としたお花畑を抜けたところにシュ レックホルン (4078m)の絶景地に出会った。そこの崖に群生していた。はじめての観察で、紫色の花びらの中心の雄しべのオレンジ色が美しい。２ｃｍにも満たない小花だが、氷河を纏ったシュレックホルンの雄姿とともに忘れられないでいる。

　　牧草地に黄色が目立って咲いてい た。黄色の花を、日本で見る帰化植物のコメツブツメクサに似ているなと思いながら撮影した。この花の仲間が日本に帰化したのかと空想するのも楽しい。帰化植物の問題は いろいろ複雑だが……。

　　この花はスイスだけでなくドイツアルプスでも観察できた。この仲間は日本ではヤグルマソウの名で園芸種として親しまれている。フィルスト駅近くの草地に 立ち上がって咲いていたのが印象に残っている。近くの丘からホルンの演奏が流れ、その調べを聴きながら撮影させてもらった。